医療用インソールについて
医療用インソールとは
当院では、矯正用インソールFormthotics Medical(フォームソティックス・メディカル)の取扱いをしております。
Formthoticsとは、※1 足病学(ポダイアトリー podiatry)に基づいて製造された、世界各国の足病医が治療のために実際に処方している※2 医療用足部矯正具(矯正用インソール orthotics)のことです。
国内外の医療系国家資格保持者しか受けることができない取扱認定講習会を受講し、認可を受けた専門家だけが取り扱うことができるインソールです。https://formthotics.jp
なぜ矯正用インソールが重要なのか?
下肢に痛みや悩みを抱えている方の約8割は足部の過回内(オーバープロネーション)が起こっていると言われています。
足部の過回内(オーバープロネーション)とは足底接地時に、距骨が内転し、踵骨が異常に内側に倒れ込む状態をいいます。(正式な定義はまだされていません)
足部(身体の土台)が崩れれば脛骨、大腿骨、骨盤、脊椎へ崩れが伝わります。
これは上行性運動連鎖といって、足部の崩れが腰や肩にまで影響し、筋緊張を強くしたり関節に負担をかけたりする可能性があります。
この連鎖を止めるには土台である足部の過回内を矯正するしかありません。
過回内を矯正することが痛みの根源へのアプローチになるのです。
Formthotics Medicalが世界中から選ばれ続ける理由
1.足を矯正できる
足の矯正により根本原因にアプローチできるので、最短でお悩みを解決することが出来ます。
今まで対症療法としてしかアプローチできなかった疾患に根本から改善することが可能になります。
2.業界最軽量(わずか19g)
圧倒的な軽さはスポーツ愛好家の大きな味方。
アスリートのパフォーマンスアップに直結します。
(通常のフルオーダーメイドの矯正用インソールは30~80g)
3.気持ちがいいフィット感
履いていくうちに足になじむ特殊構造が「足指が使えるようになる」感覚を実感させてくれます。
熱形成式なので足の形が矯正によって変化しても自動で再形成をしてくれます。
Formthoticsの特徴
1.世界的に認められた矯正力
35年間、世界30カ国で1000万足以上販売されている。
2.熱形成&カスタム可能
熱で形が変わるので再形成が可能。
カスタム可能な既製品として矯正用インソールが販売されることは異例。
3.圧倒的な軽さ(オリジナル・デュアル・ミディアムMサイズでわずか19g)
オーダーメイドで作った矯正用インソール(orthotics)は重い物(30~80g)が多く、マラソンなど長距離走をする方にはパフォーマンスに影響する可能性がある。
4.抜群のフィット感と快適性
柔らかい素材でできているのでクッション性があり足になじみやすい。
足になじむ素材だと※3 固有受容器官が刺激され足指を使いやすくなる。
5.衝撃吸収&負荷分散
足底アーチが働き、接地の衝撃が吸収されるようになる。
6.豊富なラインナップ
メディカルシリーズとスポーツシリーズ2つのシリーズがある。
各シリーズの中にも種類があり一人一人に合ったインソールを選択できる。
足部の過回内(オーバープロネーション)によって起こる主な足部障害
1.足底筋膜炎
過回内によって内側縦アーチ(土踏まず)が落ち込むと、ランニングやジャンプ動作、歩行時などの接地時に足底筋膜が伸張され損傷、炎症が起き、痛みが引き起こされます。
痛みは足底筋膜の踵骨付着部(かかと)に出ることが多く、次に土踏まずの部分に多いです。
寝起きの一歩目に鋭く刺すような痛みや運動中に鈍く疼くような痛みが生じ、圧痛が確認されます。また下腿三頭筋(ふくらはぎの筋)の過緊張や足関節(足首)の可動域低下も発症の原因となります。
2.腸脛靭帯炎(ランナーズニー)
過回内によって踵骨(かかとの骨)が内側に倒れ込むと運動連鎖によって脛骨の内旋が起こります。
脛骨の内旋が起こると脛骨ガーディー結節に付着する腸脛靭帯が伸張され、大腿骨の外側上顆(膝の外側)と擦れやすくなります。
腸脛靭帯が伸張された状態でランニングなどによって繰り返し外側上顆と擦れ、摩耗すると炎症を起こし、痛みを生じます。
ランニング中やランニング後に外側上顆部に痛みを感じ、圧痛が現れます。また大殿筋(お尻の筋)や大腿筋膜張筋(股関節前外方にある筋)の過緊張なども発症の原因となります。
3.脛骨過労性骨膜炎(シンスプリント)
過回内によって内側縦アーチ(土踏まず)が落ち込むと後脛骨筋が伸張され、後脛骨筋が付着する脛骨(脛の骨)後面や骨間膜(脛骨と腓骨の間にある膜)にストレスがかかります。
後脛骨筋が伸張された状態でランニングやジャンプ動作などの繰り返しによって脛骨後面などにストレスがかかり続けると炎症を起こし、痛みが生じます。
運動中や運動後に脛骨内側縁や後面に痛みを感じ、内側縁に沿って圧痛、腫脹が見られます。
またヒラメ筋(下腿三頭筋の一つ、ふくらはぎの筋)の過緊張や足関節(足首)の可動域低下も発症の原因となります。
4.アキレス腱炎
過回内によって踵骨(踵の骨)が内側に倒れ込むと、アキレス腱が伸張されます。
アキレス腱が伸張された状態でランニングやジャンプ動作などの繰り返しによって伸張ストレスがかかると、炎症を起こし痛みを生じます。
運動中や運動後に痛みが出現し、圧痛、腫脹が見られます。
一度の強いストレスで損傷を起こすとアキレス腱断裂になります。また下腿三頭筋(ふくらはぎの筋)の過緊張や足関節の可動域低下も発症の原因となります。
5.モートン病
過回内によって内側縦アーチ(土踏まず)が落ち込むと足趾が開帳され、横アーチも落ち込みます。
横アーチが落ち込むと深横中足靭帯(足指の付け根にある足指間をつなぐ靭帯)が伸張され、深横中足靭帯の下を通って足趾(足の指)に走る神経を圧迫します。
深横中足靭帯の伸張によって神経が圧迫されると足趾に痛みやしびれ、焼灼感などの神経症状を起こします。
第3-4足趾間に好発しますが2-3、4-5足趾間に起こることも少なくなく、神経腫を形成し、そこに圧迫すると足趾への放散痛を確認することが多くあります。また過回内がなくてもハイヒールの着用でも、中足趾節関節に体重がかかり横アーチの落ち込みを助長しやすく、症状や変形を起こす場合も見られます。
5.外反母趾
過回内によって内側縦アーチ(土踏まず)が落ち込むと足趾が開帳されます。
足趾が開帳されると中足趾節関節(足指の付け根)が広がり、拇趾の中足骨は内反し、中足趾節関節は内側に突出します。
この突出した部分が靴などに擦れて炎症を起こすと痛みを生じます。
靴を履いていると足先が圧迫され、中足趾節関節より先の拇趾の足趾骨が外反し(第2趾方向に曲がり)、くの字に変形しているように見られます。また過回内がなくてもハイヒールを常用していると中足趾節関節に体重がかかりやすくなり、症状や変形を起こす場合があります。
内反小趾も同様のメカニズムで発症します。
メディカルシリーズとスポーツシリーズの違い
メディカル | スポーツ | |
矯正力 | 高い | 低い |
取扱い | 専門家のみ | 誰でも可 |
販売 | 専門家によるコンサルティング販売 | 量販店や通信販売 |
【メディカルシリーズ】
・海外で実際に足病医が患者に処方している矯正力が高い治療用モデル
Formthoticsに関する研究が多数されていてエビデンスも多数存在します。
http://formthotics.comにて公開(英文)
・国内外の医療系国家資格を保持し、取り扱い認定講習を受け認可された専門家のみが取り扱い可能
医療用足部矯正具のため取り扱いには専門家による判断が必要です。
・販売は上記の専門家によるコンサルティング販売のみ(通販不可)
医療用足部矯正具のため販売には専門家による問診や評価が必要で、手渡しのみの受け渡しとなっています。
【スポーツシリーズ】
・メディカルよりも矯正力を落とし、違和感を出にくくしたモデル
一般の方でも取り扱いができるように矯正力を落としたモデル。
専門家による判断は必要ではないが、矯正力は落とされている。
・治療用ではなく一般用
矯正力が落とされているため良くも悪くもパフォーマンスへの影響が少ない。
・アマゾンや量販店などで購入可能
誰でも気軽に購入が可能。
形状の具体的な違い
メディカル | スポーツ | |
1.ヒールカップ | 深い | 浅い |
2.アーチサポート | 高い | 低い |
3.基盤素材 | 硬い | 柔らかい |
1.ヒールカップ
距骨が内転し、踵骨が内側に倒れこむのを矯正します。
深ければ深いほど矯正力は高く、踵のサポート性やフィット感が増します。
2.アーチサポート
内側縦アーチの落ち込みを矯正します。
高ければ高いほど矯正力は高く、足底のフィット感、※4 ウィンドラス機構の機能性が増します。
3.基盤素材
独自の特殊素材「※5 Formax」の気密性による硬度。
この基盤素材を基に矯正力が決まります。
当院での販売の流れ (20分程度)
1.問診
どこが痛いのか、いつ痛みがでるのか等お話を伺います。
2.評価
評価には静的評価、動的評価があります。
簡単に言うと、動いていないときはどうか、動いているときはどうかということです。
当院では静的評価の一つとして、FPI(foot posture index)という評価法を用います。
この評価法は世界的にもメジャーな評価法で、足病医も活用している足のアライメント(骨配列)を点数化する評価法です。
本来6つの項目があるのですが当院では簡易化された4つの項目を採用しています。
-2、-1、0、1、2の5段階で項目ごとに評価をし、マイナスは過回外傾向、プラスは過回内傾向、0が正常なアライメントということになります。
4項目の合計値が5以上の場合、矯正が必要な足となります。
統計として足に悩みを抱えた人の約8割が過回内傾向にあります。
他にもウィンドラステスト、回外抵抗テストなどの静的評価、ニーベンドテスト、前足部安定性テストなどの動的評価も必要に応じて見させていただきます。
2.体感
患者様自身に、ご自身がどれだけ矯正が必要な足をしているのか、矯正するとどうなるのかを理解して頂くためにそれを体感してもらう事を大事にしています。
その方法の一つとして、先ほど行ってもらったウィンドラステストやニーベンドテストをFormthotics Medicalに乗った状態でさせてもらいます。
また、変化を体感していただくためのパワーテストもあります。
どれだけ足趾に力が入りやすくなるのか、普段どれだけ使えていなかったのかが実感できるかと思います。
3.処方・説明
Formthotics Medicalは医療用足部矯正具です。
矯正力が高い分、人によっては熱形成によって足型にフィットするまでは長時間着用していると足に違和感を覚えることがあります。
そのため着用するにあたってフィッティング(慣らし)期間を設けていただく必要があります。
おおよその目安として2週間(5~15回程度の着用)はフィッティング期間とし、激しい運動は控えてください。
その間に徐々に着用時間や運動量を増やしていき、1日目は2時間、2日目は4時間などと段階を踏んでいくのが理想です。
個人差があり一概には言えませんので、一人一人におおよその目安をご提案させていただきます。その後の相談、アフターケアも行っております。
価格
モデル | 価格(税込) |
Original duel medium | 13,260円 |
Original single medium | 12,240円 |
Comfort single medium | 12,240円 |
※別途評価料2000円(当院で施術を受けたことがある方、今後受ける方は無料)
Original duel medium(オリジナル・デュアル・ミディアム):基本的なモデルとして矯正力、快適性共に最高レベルとされている
Original single medium(オリジナル・シングル・ミディアム):競技パフォーマンス向上をメインに考えている方
Comfort single medium(コンフォート・シングル・ミディアム):革靴など中敷きがとれない靴やヒール・パンプスに入れたい方
それ以外にもキッズモデル、通気孔モデル、ハードモデルなど全部で約20種類ございます。
一人一人に合わせたベストなインソールを提案させていただきます。
ランニング障害による足の痛みや、スポーツをしていなくても普段から膝の痛みや足が疲れやすいなどの症状がある方は、一度足部の評価をして過回内でないかチェックする事をお勧めします。
Q&A よくあるご質問
Q.他のインソールと何が違うの?
A.「矯正力」と「軽さ」と「成形能力」の3点です。
Formthotics Medicalは医療従事者にしか製造元に注文ができない本物の医療用足部矯正具です。
また「3D milled」という独自の特殊な削り出し製法によって、高い矯正力と矯正用インソールとしては異例な超軽量化(original duel medium Mサイズで19g)の両立に成功しています。
さらに、履いているだけで自然形成し、何度でも再形成できるということも他社製品との大きな違いです。
Q. 足以外の悩みにも効果はありますか?
A. 身体全体にも効果は期待できます。
身体の土台である足部のアライメント(骨配列)は上行性運動連鎖によって膝、股関節、骨盤、腰椎、胸椎、頚椎と全身に影響を及ぼします。
足部アライメントの異常によって上行性運動連鎖が起こり、不良姿勢や肩こり、腰痛などの症状が出ている方は、Formthotics Medicalを着用しアライメントを矯正することで改善する可能性が大いにあります。
Q.どのくらい耐久性がありますか?
A.基盤素材のすり減りや全体のへたり具合を目安にご交換ください。
メーカーが指標としている耐用年数としてはハードな使い方で約1年とされていますが体重や用途、使用状況により個人差があります。
日常使用であれば約1∼2年、ランニング使用では走行距離600∼1000km程度が交換目安になります。
基盤素材の表面がすり減り、全体が柔らかくへたってきたらご交換ください。
交換時期を過ぎても使用し続けると、矯正力やパフォーマンスへ影響する可能性があります。
Q.複数のシューズに入れ替えて使えますか?
A.入れ替えて使用しても問題ありません。
シューズによって形状や用途が異なるためそれぞれに1足用意することが理想ですが、まずは1足を様々なシューズでお試しください。
入れ替えの手間や耐久性向上のために必要であれば買い足すという流れが自然かと思われます。
ただし高いレベルで競技をされる方はいくつか種類を用意しておくことを当院では薦めております。
例:陸上競技 長距離選手の場合
original duel medium(オリジナル・デュアル・ミディアム)を入れたアップ用シューズと
original single medium(オリジナル・シングル・ミディアム)を入れたレーシング用シューズ
などそれぞれの用途に合わせてシューズとインソールを使い分けることで最大限にパフォーマンスが発揮でき、ケガの予防・改善に役立つと考えられます。