【40代男性、腰痛(ぎっくり腰)】が改善した症例
来院動機
子供と遊んでいて、子供を上に放り投げてキャッチした際に腰に急激な痛みが走った。
整形外科へ受診し痛み止め(ロキソニン)をもらったが、数日経っても痛みがあるため、当院へ来院。
所見
立ち上がり時に痛み、起床時痛、後屈痛、腰の下部への圧痛あり。
おしっこが出にくいなどの排尿排便障害や広範囲に及ぶ神経障害等のレッドフラッグサイン(重症の病気を警戒する必要がある徴候)なし。
股関節屈曲で股関節前面につまり感があり、仙腸関節あたりが引っ張られる感じがする。
超音波エコーで観察をしたところ、炎症反応は見られず、多裂筋のfascia(筋膜)の癒着が見られた。
施術
腰部の痛みにより脊柱起立筋や広背筋、大臀筋や中臀筋などが硬くなりスパズムを起こしているので、筋緊張緩和を図るために手技にてリリースを行う。
また仙腸関節を安定させるために働いている、後仙腸靭帯などにも負担がかかり硬くなっているため、アプローチを行う。
その後、多裂筋のfascia(筋膜)の癒着部分に鍼通電を10分行った。
2回目は痛みがほぼ感じなくなった事から、前回と同様の施術を行い、腰部安定のための体幹周りのトレーニングやエクササイズ、太腿のストレッチなどのセルフケアを指導。
経過
初回:施術を受けた翌日から痛みがなくなっていたが、腰部に張りを感じるようになった。
2回目:痛みや不安を全く感じず生活できている。
考察
子供を上にあげる動作をするときに、腰椎は過伸展(大きく反る)をすることで前弯(骨盤が前傾)が強くなり、何度も繰り返ししていた事から、腰部に負担がかかり痛みを引き起こしたのだろうと考える。
もともと身体も硬く、筋肉の柔軟性もない事から、fascia(筋膜など)の癒着も起こりやすく、腰痛の原因の一つになっていたのだろう。
腰椎の前弯が強いと身体はバランスを取ろうとし、重心を後に持っていく事から、太腿の後面が硬くなりやすくなる上に、お腹の筋肉が緩んで支えるものがなくなってしまうため、患部のみならず、トレーニングやセルフケアも同時進行していくことで、腰痛の発生リスクを下げることにつながると思う。