【60代女性、坐骨神経痛】が改善した症例

【60代女性、坐骨神経痛】が改善した症例

来院動機

太ももの裏から足底にかけて痺れを感じる。

整形外科で坐骨神経痛と診断。近所の整骨院で治療を受けるも、痛みが増してしまった。

過去にヘルニアを患っていて、過去20年の間にギックリ腰を5回経験している。

初見

ヘルニアの確認をするためのテスト法、SLR、FNS、EHL、FHLテストを行い、SLRとEHLで陽性。

坐骨結節(おしりの下の骨)から膝窩(膝の裏)に向かって下3cmあたりに圧痛と放散痛あり。

ふくらはぎから足底部にかけての若干の感覚障害あり。

超音波エコーで観察をしたところ、梨状筋に押しつぶされている坐骨神経が観察され、右の多裂筋にfascia(筋膜)の癒着がみられた。

大腿部の半腱様筋、半膜様筋や大腿二頭筋のタイトネス(硬さ)も手感で感じられる。

坐骨神経痛2

坐骨神経痛3

施術

患者様の希望により鍼を使わず、手技にて施術を行う。

坐骨神経の緊張緩和を図るため、腰部から膝の裏までの腰部神経根(背骨の根元から出る神経の束)、坐骨神経の滑走性の改善を目的として手技を行う。

また坐骨神経から脛骨神経につながり、脛骨神経から内外側足底神経に分岐する場所を丁寧に手技にてリリースをする。

自宅では座りっぱなしをやめてもらい、痛みや痺れが出ない程度に軽くウォーキングをするよう提案。

坐骨神経痛1

経過

初回:施術後、来た時より落ち着いているが、まだ痺れを感じる。

2回目:大腿部からふくらはぎの痺れは改善してきたが、足底の痺れは出たり出なかったりする。

3回目:大腿部からふくらはぎの痺れや足底の痺れも、ほぼ気にならなくなった。

考察

ヘルニアを患っていたことから、腰痛が日ごろからあり骨盤が過後傾位(腰が丸まっている姿位)してしまい、臀部の筋肉が硬くなったことから、坐骨神経の滑走不全をおこした。

坐骨神経の滑走不全から、そこから繋がる脛骨神経と内外側足底神経にも悪影響を及ぼしていたのだと考える。