こんなお悩みはありませんか?
- 階段の昇り降りがつらい
- 加齢による変形による痛みと言われた
- 手術をしたのにまた痛みが出てきた
- 長時間走っていると痛みが出る
- 成長痛だから仕方がないと言われた
膝痛を引き起こす主な疾患
膝痛を引き起こす原因は以下のようなものがあります。
変形性膝関節症
大腿骨と脛骨の軟骨の摩耗によって起こる変形(O脚変形や稀にX脚変形)と、関節包内に摩耗片(削りカス)の分解物を遊離させます。
この分解物が関節包の滑膜に干渉し炎症が起きると痛みが出現し、同時に関節包内に関節液を貯留します。(いわゆる水が溜まる)
また適合性が失われた関節はバランスを崩して、骨棘を形成してバランスを保とうとします。
それによって骨性の可動域の低下や内側側副靭帯(MCL)などの周囲の Fasciaと癒着を起こして痛みを起こすことがあります。
多くは一次性ですが、半月板損傷や靭帯損傷、化膿性関節炎に続発する二次性のものもあります。
腸脛靭帯炎(ランナーズニー)
腸脛靭帯とは腸骨外側から脛骨のガーディー結節に付着する靭帯です。
腸脛靭帯が緊張状態にあるときに膝の屈伸運動をすると、大腿骨の外側上顆と擦れてしまいます。それを繰り返して炎症が起きた状態を腸脛靭帯炎といいます。
長距離ランナーやサッカーなど膝の屈伸を繰り返すスポーツの選手に好発します。
大腿骨外側上顆(膝外側の上部)に顕著な圧痛が現れ、ランニング時やランニング後に痛みが増悪します。
鵞足炎
鵞足とは縫工筋、薄筋、半腱様筋の3筋が脛骨の上部内側に停止する部位のことを指し、3筋が停止する様が鵞鳥の足に似ていることからそうと呼びます。
このいずれかの筋の緊張が強くなって鵞足部に緊張が高まった状態で運動をし続けてしまうと、筋の停止部に炎症を起こしたり、内側側副靭帯(MCL)との間で擦れて炎症を起こしたりしてしまいます。
腸脛靭帯炎同様に長距離ランナーなどの選手に好発しやすく、運動時に痛みが増悪します。痛みは鵞足部周辺の脛骨上部内側に現れます。
膝蓋靭帯炎(ジャンパーズニー)
膝蓋靭帯とは大腿四頭筋(大腿前面の筋)から膝蓋骨(膝のお皿)を包んで脛骨粗面に付着する靭帯です。
ジャンプやダッシュなどの強力な膝の伸展動作のくり返しによって膝蓋骨上部や下部、脛骨粗面に微細損傷を起こし痛みを引き起こします。
バスケやバレーの選手などジャンプやダッシュ動作の多い選手に好発します。
疼痛部は膝蓋骨下部が一番多く、次に膝蓋骨上部、脛骨粗面となります。
脛骨粗面に痛みが出ていて、骨に異常が見られる場合はオスグッド・シュラッター病になります。
オスグッド・シュラッター病(いわゆるオスグッド)
膝蓋靭帯炎同様にジャンプやダッシュ動作などによって、脛骨粗面部にストレスがかかると骨が剥がれたり炎症を起こしたりしてしまいます。
特に小学校高学年から中学生の子供に好発します。
この時期の成長期の子供は大きく骨が成長しますが、筋や腱、靭帯は同じ速度で成長ができません。
そのため結果的に筋の緊張が高まってしまい、脆弱な成長途中の骨に強い牽引ストレスがかかり炎症、剥離を起こしてしまいます。
膝の伸展動作時に痛みが起き、脛骨粗面部に著明な圧痛が確認されます。
多くは安静で牽引ストレスを与えないようにすれば痛みは消失しますが競技を再開すると再び痛み出します。
サポーターによる膝蓋靭帯の圧迫も有効です。
骨の隆起が残ることが多く、成長期が過ぎ痛まなくなっても、強力な牽引ストレスがかかると再発することがあります。
靭帯損傷
・内側側副靭帯(MCL)
ラグビーのタックルを受けたときやスキーやスノーボードの転倒などで外側から内側方向にストレスがかかった時に損傷を起こします。
膝周囲の靭帯で損傷を受ける頻度が最も多く、初期に固定できれば治癒も早いです。
・外側側副靭帯(LCL)
内側から外側方向にストレスがかかった時に損傷を起こします。
単独で損傷を起こすのはまれで、大抵の場合他の損傷も伴うような強いストレスがかかった時に一緒に損傷します。
・前十字靭帯(ACL)
タックルやジャンプ・着地、ダッシュ・ストップなどの動作で膝が崩れるように受傷します。またタックルなどの接触でも同じように受傷します。一度切れると再生しないため保存療法は行わず、手術となります。
・後十字靭帯(PCL)
交通事故や前からのタックルなどで脛骨の前方から後方への強いストレスで損傷を起こします。強度の高い靭帯で部分断裂が多いため保存療法が多いと言われています。
2つ以上の膝の靭帯が同時に損傷を受ける膝複合靭帯損傷が少なくなく、複数の靭帯を損傷すると膝関節における不安定性が強くなってしまい、半月板や軟骨を損傷してしまう事もあります。
また高頻度で起こるスポーツ外傷の中でも最も重症だと言われている、前十字靭帯(ACL)、内側側副靭帯(MCL)、内側半月板の同時損傷を不幸の三徴候(アンハッピー・トライアド)と呼びます。
膝痛に対する当院での施術実例
症例1 主訴:右膝内側の痛み
医療機関での診断:加齢による変形性膝関節症、O脚変形
来院動機:病院には数年前から通っているが変化はなく、いろいろな民間療法と呼ばれるものを試すも効果は現れず知り合いに紹介により当院に来院。
当院での対応:膝関節の変形や骨棘形成などはあるものの検査や触診から骨棘と変形によって突出した半月板と内側側副靭帯のFascia同士の癒着が痛みの原因だと判断し、同部位に刺鍼したところ痛みは緩解(※2 NRS-3)、その後同様の施術を数回繰り返し痛みが解消された。(NRS-0)。
この症例のように実際に変形や骨棘ができていてもそれが原因でないことがあります。
症例2 主訴:右膝下部の痛み
医療機関での診断:走りすぎによるジャンパーズニー
来院動機:陸上競技をやっている学生で、病院では安静にするように言われ経皮吸収型消炎鎮痛剤(湿布)を処方されたが練習を休むわけにもいかず、他に治療法がないか疑問に思い、当院に来院。
当院での対応:膝蓋靭帯を超音波エコーで観察したところ炎症が確認されなかったため、膝蓋靭帯に異常はないと判断。さらに膝の動きを超音波エコーで観察したところ深層にある膝蓋下脂肪体に癒着が確認され、鍼で刺激を入れたところ痛みは緩解(NSR-2)、同様の施術を後日もう一度行い、症状は解消された(NRS-0)。
その他の膝痛症例
【30代男性、膝後面の痛み】が改善した症例