【10代男性、内側野球肘の痛み】が改善した症例

【10代男性、内側野球肘の痛み】が改善した症例

来院動機

・中学生軟式野球部、投手、投球時に右肘内側痛があり近い距離でのキャッチボールでも痛みが出現。来年高校へ進学し野球も継続して行うため症状の改善を目的に来院した。10bbelbow1

所見

肘関節の明らかな可動域の制限はなく内側にある骨の出っ張り(内側上顆)に付着する内側側副靭帯に対して牽引ストレスをかけると痛みが再現された。超音波エコー観察では靭帯の形態変化や緩み、炎症などの所見は確認できなかった。一方、肘の内側から指の方まで伸びる尺骨神経の走行に沿って圧迫や神経ストレスをかけると痛みを再現し支配筋である尺側手根屈筋や指の筋力低下が見られた。これらの所見から尺骨神経の関与を疑った。10bbelbow210BBelbow3

施術

・初回は尺骨神経周囲に対して超音波エコー下鍼施術と前腕から肩甲周囲の柔軟性獲得を目的に徒手療法を実施。また、ボールを把持に関わる前腕筋群の運動療法を行った。

・肘の裏側にある肘窩脂肪体と上腕三頭筋への超音波エコー下鍼施術も追加で実施した。症状の変化を見ながら計8回施術を行った。

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経過

・初回、来院時を10とした場合、7まで軽減した。近い距離でのキャッチボールは改善傾向を示したが中距離や遠投などは痛みが出現する。さらに、肘の後ろが詰まっているような違和感を覚えたとのことでチェックすると肘窩脂肪体の硬さが影響していると考えた。

・施術を継続して行い、普段の練習での状況も聞き取りしながら練習の負荷量を調整など行ったことで痛みは徐々に緩解し投球時の痛みもなくなった。

考察

本症例では尺骨神経の走行に沿った圧痛、神経ストレスでの陽性所見や筋力低下などから尺骨神経の滑走不全を疑った。加えて、肘窩脂肪体の硬さや肩甲帯の機能にも着目して施術を行いその経過で投球時痛の改善を認めたことから肘内側痛に対しては神経だけに注目せず周囲組織や上肢(肩~手)の機能も含めて評価・介入する視点が必要と考えられた。