【40代女性、大腿(太もも)外側の痛み】が改善した症例
来院動機
3週間前より右足大腿外側に痛みがあり夜も眠れない状態が続く。鎮痛薬を服用しているが効果がないとのこと。立ち上がり動作がつらく、足を引きずりながら来院される。
所見
SLRテスト、FNSテストなど椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の所見は見られない。
股関節屈曲抵抗運動、股関節外転運動で痛みが増強する。特に椅子からの立ち上がり動作時に痛みが増強。
超音波エコー所見により大腿筋膜張筋と外側広筋の間でfasciaの重積が確認される。
動作所見により小殿筋の短縮時痛による痛み。大腿筋膜張筋と外側広筋の間でのfasciaの滑走不全による痛みと考える。
施術
小殿筋の圧痛部と小殿筋を動かす上殿神経に超音波エコーガイド下鍼施術を行う。その後、鍼通電を行い筋緊張の緩和を図る。
大腿筋膜張筋fasciaの重積部に対して超音波エコーガイド下鍼施術を行い雀琢術(鍼を出し入れして刺激を行う手技)にて重積のリリースを行う。
その後、手技にて小殿筋に過剰な短縮の抑制を促すように圧迫法を行う。大腿筋膜張筋、外側広筋とその他周囲組織へは滑走の改善を意識して手技を行う。
経過
初回:施術直後痛みが緩和し歩けるように。その後数日は痛みが残るがしっかりと眠れるようになったとのこと。
2回目:来院時には痛みは消失。fascia再癒着を防止する目的のため手技にて前回癒着部を中心に施術を行う。
考察
小殿筋の短縮時痛は時に強い痛みを伴うことがある。今回は大腿筋膜張筋fascia重積も併発しており痛みが強く出たと考えられる。
見立てでは数回の施術が必要だと感じたが、1度の施術で著効した例になる。