【80代女性、股関節の痛み】が改善した症例
来院動機
階段を降りていて踏み外した際に、転倒し右ふとももを強打。
病院でC T検査等を行い、骨折などの異常はないと診断。
歩行時痛や座位から立ち上がり時の痛みが消えず、整骨院に1ヶ月ほど通ったが変化が見られず、当院へ来院した。
所見
歩行時に股関節の前面が突っ張り、ふともも前面から内側にかけての痛み、立ち上がり時におしりの痛みがあり、圧痛はなく動作時痛を訴える。
臀部筋群のタイトネスが強い。
痛みの範囲や、骨折等はないと診断されたことを踏まえ、大腿神経や閉鎖神経に異常があるのではないかと考えた。
施術
股関節前面筋群から大腿前面筋群(腸腰筋、恥骨筋、大腿四頭筋等)の支配神経である大腿神経と、大腿部内側筋群(外閉鎖筋、短内転筋、長内転筋等)の支配神経である閉鎖神経に疼痛緩和を目的とした、超音波エコーガイド下鍼施術を行う。
閉鎖神経は骨盤の閉鎖孔から神経が一本になって出て、骨盤の下を出ると前枝と後枝に分岐し、今回は分岐前の神経にアプローチを行なった。
臀部は手技にてアプローチを行なった。
前回の施術から、股関節内側痛の改善が見られなかったため、2回目は閉鎖神経分岐後の前枝、後枝に超音波エコーガイド下鍼施術を行なった。
経過
初回:おしりやふともも前面の痛みは軽減。股関節内側の痛みは変化なし。
2回目:股関節内側の痛みが軽減。立ち上がりや歩行がかなり楽になった。
3回目:痛みが全くなくなり、地域の奉仕活動に参加が可能になった。
考察
閉鎖神経の分岐後にアプローチをすることで結果が出た。
エコーを使って正確に位置を確認できたので、今回の痛みの改善に繋がったと思う。花植えや草取りなど今後も痛みなく生活を送りたいとのことで、現在も月に一回、経過観察も兼ねて身体のケアを行なっている。